国道261号線① 中国地方最大河川・江の川流域の陰陽分水嶺とは? 広島市中区~島根県境

国道261号線① 中国地方最大河川・江の川流域の陰陽分水嶺とは? 広島市中区~島根県境

2024年3月5日

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頂上で北広島町に入り、陰陽分水嶺となります。
ここを境に雨水は日本海に流れ、また太平洋に流れます。日本の背骨と言っても過言では無いでしょう。

引用:分水嶺倶楽部

分水嶺は大概県境、支庁境などと一致します。
例えば東北の場合、東北をまっすぐ貫く奥羽山脈が分水嶺となり、県境となっています。

有名な宮城・山形県境蔵王のお釜です。
蔵王エコーラインは奥羽山脈を東西に貫き宮城と山形を結ぶ道です。

他には岩手・秋田県境の八幡平アスピーテライン、福島・山形県境の西吾妻スカイバレー等が典型的な奥羽山脈を超える峠です。

奥羽山脈はスケールが大きく、標高が高い上に高緯度で寒いので、植生的にも低木が多くなり概して上記に挙げたような壮大な道となります。

引用:中国地方整備局

中国地方も東北地方と同じ様に、中国山地が背骨となる地形をしています。
県境もほぼ中国山地と一致しています。しかし中国山地は概して数百m程度の低山が多く、地形的に急峻な峠などはほとんどありません。

その為か中国山地を超えた人の往来も盛んだったようで、島根の日本海沿い・浜田市のおばあちゃんに昔は歩いて宮島(厳島神社)参りに行っていたと伺ったことがあります。夜明け前に出て一日歩き続ければ着いたそうです。


石見地方と安芸国・広島の交流が盛んだった証拠の一つですね。
現在でも島根県西は出雲・松江との東西の繋がりよりも、広島との交流の方が圧倒的に盛んなように感じます。

静岡は良く長さで取りただされますが、山陰道・街道の長さを基準とすると島根も実は静岡と同じく東西の長さが200km近くあり、令制国も出雲国と石見国で違うため他県より他県…といった事が起こります。

引用:中国地方整備局

上記の県境・中国山地・陰陽分水嶺を見比べると一致しない場所があります。
そう、北広島町や三次市など広島県北部、そして島根県西部・石見地方です。

この地域は江の川という中国地方で最長の、唯一の中国山地を貫通する先行河川の流域です。
この江の川流域が食い込んでいることから、北広島町や安芸高田町近辺ではこのような非常に穏やかな峠の分水嶺が多く見られ、地形も平地・高原が多いです。

ちなみに方言ではズレている県境と陰陽分水嶺の影響は感じません。
広島は「~じゃけぇ」なんて言うのが有名ですよね。島根県西部・石見弁は広島の影響を受けつつも「~だけぇ」と何とも穏やかな響きで喋ります。
これは分水嶺は一切関係なく県境、中国山地で奇麗に変わります。

分水嶺を超え、穏やかな道を行きます。

中国道と交差し、北広島町・千代田市街地に入ります。

中心部交差点手前。
ショッピングモールがあり、ボールの「molten」の工場がある等結構栄えています。
工業団地と流通基地の、インターチェンジで栄えた街という印象です。

市街地を超えるとR433と当たります。
ここから豊平までの道は結構奇麗です。ここから一瞬重複区間となります。

すぐに右に分かれます。この先は稀に見る酷道です。

北広島町・旧大朝町に入り、陰陽連絡道の一つである浜田道の大朝ICとなります。
ここでR261は右に折れます。

ゆるい坂で標高を上げていきます。
先述の通り中国山地は低山が多く、地形も道路も穏やかです。

県境となる中三坂峠・中三坂トンネルです。

島根県・邑南町に出ます。
ここからの国道261号は先述した江の川沿いを行く快走路です。後編を是非お楽しみに。