国道149号線 静岡市清水区・清水港 港国道(実延長2.6km)

国道149号線 静岡市清水区・清水港 港国道(実延長2.6km)

2024年2月2日

静岡市清水区・羽衣橋(B地点)を起点とし北上。
クランクの後に清水駅前交差点(A地点)で国道1号と交わり終点となる、実延長2.6km(!)の国道です。

非常に短い国道ですが、実は国道の短さランキングでは7位という微妙な順位です。
更に短い国道が6つ存在するという事です。

長い国道・短い国道ランキングを見てみましょう。
なお国道の長さには総延長・実延長等種類がありますが、ここでは実態に即した実際に走行した際の距離=現道延長のランキングとします。

長い国道ランキング

順位路線名起点終点現道延長
1国道4号東京都中央区青森県青森市742.5km
2国道1号東京都中央区大阪府大阪市北区641.9km
3国道9号京都府京都市下京区山口県下関市614.6km
4国道2号大阪府大阪市北区福岡県北九州市門司区598.5km
5国道8号新潟県新潟市中央区京都府京都市下京区547.0km

これくらいにしておきましょう。錚々たるメンバーですね。

短い国道ランキング

順位路線名起点終点現道延長
1国道174号神戸港兵庫県神戸市・国道2号交差点187m
2国道189号岩国飛行場山口県岩国市・国道2号交差点360m
3国道130号東京港東京都港区・国道15号交差点482m
4国道198号門司港福岡県北九州市・国道3号交差点0.6km
5国道177号舞鶴港京都府舞鶴市・国道27号交差点0.7km
6国道133号横浜港神奈川県横浜市・国道16号交差点1.4km
7国道149号清水港静岡県静岡市・国道1号交差点2.6km

こんな感じです。短いのは勿論ですが共通点、分かりましたか?
そうです。起点が港または空港、そして終点が一桁・二桁国道(=旧一級国道)となっていますね。上記の長い国道が全て都市を起点・終点としている点において対照的です。

今度は道路法を少し覗いてみましょう。

  • 第5条 第3条第2号の一般国道(以下「国道」という。)とは、高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成し、かつ、次の各号のいずれかに該当する道路で、政令でその路線を指定したものをいう。
  • 第1号 国土を縦断し、横断し、又は循環して、都道府県庁所在地(北海道の支庁所在地を含む。)その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市(以下「重要都市」という。)を連絡する道路
  • 第2号 重要都市又は人口10万以上の市と高速自動車国道又は前号に規定する国道とを連絡する道路
  • 第3号 二以上の市を連絡して高速自動車国道又は第1号に規定する国道に達する道路
  • 第4号 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第2項に規定する国際戦略港湾若しくは国際拠点港湾若しくは同法附則第2項に規定する港湾、重要な飛行場又は国際観光上重要な地と高速自動車国道又は第1号に規定する国道とを連絡する道路
  • 第5号 国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市と高速自動車国道又は第1号に規定する国道とを連絡する道路

コレですね。
第1号はつまり旧一級国道の事です。国土を縦断し、横断し、循環。そりゃ当然長くなる訳です。

一方第4号により、重要な港や飛行場等と旧一級国道を繋げて国道として管理しなければならない…つまり港等を始点とし、旧一級国道を終点とする国道が生まれる訳です。

上記が通称港国道と呼ばれている物で、全国に15路線あります。ランキング外の物では例えば羽田空港から環八通りを経て国道15号に至る実延長3.6kmの国道131号などがあります。

押し並べて延長が短い事が特徴です。最長の港国道は関西国際空港連絡橋・国道481号の10.4kmです。国道の短さランキングでも15位までを全15路線の港国道が占めています。
そもそも上記の様な重要港の近くは当然重要都市であり、重要都市には元々旧一級国道が通っているのです。短くなるのも当然です。

国道が制定されたのは主に明治〜大正時代の頃です。この頃の日本においては生糸を生産(富岡製糸場とかもこの頃ですよね)、そして港から輸出し外貨を得る事が国策として重要視されていました。この為港に通ずる道も最優先で整備・管理しようという事になったという訳です。

今回はそんな港国道の1つである、静岡市清水区・清水港の国道149号線を見ていきましょう。

起点終点実延長
静岡県静岡市清水区・清水港(羽衣橋北詰)清水駅前交差点・国道1号交点2.6km

国道始点の巴川(ともえがわ)にかかる羽衣橋です。

静岡県清水区はちびまる子ちゃんの聖地としても有名です。
この氾濫している川が巴川です。詳しくはWikipedia 七夕豪雨で。

キロポストや起点表示の類は何もありません。
国道150号を北上しているといつの間にかこの橋から国道149号に変わるような感じです。

国道150号から引き続き片側二車線が続きます。
北上し数百mで清水港フェリーターミナルの入り口となります。

再度となりますが地図です。
国道149号は埠頭と並行する道筋を取ります。これは港国道としては非常に珍しい経路です。

例として日本で5番目に短い700mの国道、京都府舞鶴市・国道177号を見てみましょう。
国道27号から舞鶴港へ真っ直ぐ向かうだけの道です。港国道は殆どがこのような道筋を取ります。

国道からは少し逸れますが、清水港フェリーターミナルを覗いてみました。
静岡市と伊豆半島を繋ぐフェリーです。

フェリー航路が静岡県道223号に指定されています。
観光振興目的でふじさんの語呂合わせで2013年に指定された物のようです。フェリーの甲板にも県道標識が設置されている徹底ぶり。観光振興ってこんなん気にするん道路オタクだけでは…?
しかしめっちゃ刺さるな。乗りたい…。また今度乗ってみようと思います。

清水税関。

さらに北上すると右手にエスパルスドリームプラザが見えてきます。
Jリーグチームの清水エスパルスですね。豪華なショッピングモールです。

清水エスパルスの運営会社であるエスパルス株式会社は、このエスパルスドリームプラザの向かいに本社を置く鈴与株式会社(Wikipedia)というドドドデカ物流会社の傘下です。物流のみならず電力、建設、商事、何でもやってます。その為このような開発が可能…という訳です。他にも同会社が運営する博物館等があったり、この辺りは鈴与城下町ですね。

ドリームプラザを過ぎるとクランクとなります。

清水銀行本店の前を通過します。
清水区は2006年の合併以前は清水市であり、元々海運と宿場町として栄えていた町ですので割とガッチリ都市機能があります。静岡市と合わせて静清(せいしん)と呼ばれています。国道1号バイパスの名称としてもおなじみですね。

港国道としては珍しく何か普通に街っぽい道です。

港国道は今の時代となっては法律の辻褄合わせという面が大きい道路です。
例えば先ほど例に挙げた京都府舞鶴市の国道177号でしょうか。

京都舞鶴港が重要港湾である事に疑いの余地はありません。
日本有数の軍港、造船所やガラス工場、そして新日本海フェリー北海道航路。
しかし、それらは全て国道177号から離れた舞鶴東港(赤れんがパーク周辺)です。

しかしまだ舞鶴港には重要な役割があります。
中韓、ロシア等とのコンテナ海運。つまり国際貿易港としての役割です。
この役割は舞鶴西港が担っています。
しかし、それらは国道177号より西なんです…。とれとれセンターの辺りですね。

ほな国道177号が行ってる場所は何なん?って話ですね。舞鶴漁港です。
しかも舞鶴漁港、現在では法的には京都舞鶴港には含まれていません。

舞鶴の旧市街地は田辺城があった西舞鶴になります。
田辺城の城下町として西舞鶴は古くから栄えており、舞鶴港も朝鮮・満州等との商業貿易港として江戸時代より栄えていました。この頃の舞鶴港は現在の舞鶴漁港の辺りだったんですね。

明治時代になり、上記の道路法により舞鶴港より国道27号に通じる道が国道指定されました。
それが国道177号です。

その後、朝鮮・ロシア方面への防衛力強化のために地形に恵まれた良港である東舞鶴を軍港として開発する事となりました。これが現在の舞鶴東港です。
一方、舞鶴西港もコンテナ港として大規模な埠頭開発が行われました。地形がそんな感じですよね。

時代変わって時は流れてかつての舞鶴港は本当にただの漁港に、そして国道177号は漁港に通ずる道となってしまった..という訳です。本当にただの法律の辻褄合わせですよね。

…もう国道177号の記事作っても書く事無くなってもうた💩


まぁ舞鶴はまだエピソードが多くていいです。国道2号から神戸港にドーンと入って終わる長さ187mの国道174号、もうエピソードも何もないです。日本一短いしか書くことないです。
北九州市門司区の長さ600mの国道198号なんておにぎり看板すら存在しません。
港国道とはそういったものなのです。しかし我々はそんな所に惹かれてしまう生き物なのです。

そんな事書いてたら清水駅前交差点。(奥に清水駅が見えます。)
こちらで国道1号現道に当たって終点となります。

清水区の街並みを形成し、かつ国道1号と国道150号を繋ぐ重要な役割を担った国道149号線。
たまには新東名に乗らず、東名に乗らず、国道1号静清バイパスにも乗らず、現道から149号、150号で海沿い走って焼津・御前崎ルートでのんびり行かれるのは如何でしょうか?

この先の国道150号線はこんな感じです。最高ですよ。

かの有名なサウナしきじも国道150号から直ぐです。
静岡は長いだけではありません。色々な「√」、試してみませんか?